今回レビューするものはプログラマブルスイッチャーとなるOne Control Salamandra Tail Loopです。
主な仕様として
コントロール:1・2・3・BUF
電源:DC9Vセンターマイナス
消費電流:160mA
重量:400g
サイズ:W110mm x D115mm x H60mm
となっています。
One Control Salamandra Tail Loopの特筆すべきところは、ルーティングを変更できるプログラムスイッチャーであるにも関わらず軽量・コンパクトサイズであることです。
スイッチャーは扱いやすさと大きさは比例しがちです。フラグシップ機ともなるとサイズがかなり大きいものが多くボードの半分を占めることも珍しくありません。
いわゆる要塞ボードを組むような方にはいいかもしれませんがそこまでのエフェクターを使わない場合にはオーバースペックでしょう。
そんな中、コンパクトサイズでありながらも扱いやすい機能を兼ね備えているこのスイッチャーは大型のボードを組む方以外にはおすすめできます。良くも悪くも3ループしかありませんのでご検討ください。
他にも切り替え可能なバッファー搭載や16個のプリセット保存、ミュート・チューナーアウト、プログラム変更防止のロックスイッチやアルミ製スラント型筐体を使用していることでの耐久性と踏みやすさの向上、電源に関しても電源供給が止まるとトゥルーバイパス化やDC9Vセンターマイナスでパワーサプライでの運用が可能などの工夫が見られ好印象です。
インプット部にBJF Bufferが搭載されておりノイズの軽減が期待でき、しかもプログラム毎にバッファーの有無を変更することができるため、影響を受けやすいファズなどの扱いも向いているでしょう。
BJF Bufferは非常にナチュラルで軽いツヤがかかる印象です。
一見難しく思えるプログラムも単純な仕組みで大きなディスプレイも持ち合わせているので簡単です。ただLEDのオンオフで組み合わせを表示されるより数字が出た方が安心感とわかりやすさがあります。
スイッチャーに求められるスイッチ間隔も短過ぎず片足で踏む時に干渉することのない幅となっています。耐久性もそこそこあるのではないかと思われます。
プリセットは、2プログラム×4バンク×2レーンで保存されていますが演奏時にレーンを瞬間的切り替えるのはあまり現実的ではありませんので多くの場合一曲で使用できるのは2プログラム×4バンク、8パターンのプリセットではないでしょうか。
個人的な話にはなってしまいますがエフェクターのスイッチを二連続で踏むのが得意ではなく、バンク切り替え時に踏み損なって違うプリセットを選択しそうになってしまいます。
そこで1バンク目と3バンク目、2バンク目と4バンク目を同じプログラムにすることにより使いやすくなりました。
私の使用環境では4プリセットもあれば十分で、それにこのスイッチャーは3ループだけなのでそこまでのプリセット数が必要なのかと感じていますが最近のスイッチャーにありがちな過度なオーバースペック感はありませんのでいいでしょう。
デメリットを挙げますとややスイッチングノイズが入ってしまうことと、結構致命的なものだと思うのですがプログラムが勝手に書き換わってしまうことです。
プログラム変更防止のロックスイッチを使用しても本体の起動時に稀に書き換わりが起きてしまうことがあります。初期不良の可能性は否定できないのですが数回起きていて、しかもこの発生条件は検証できていないのでライブ前などは特にご注意ください。